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本当の優しさ

 中学だか高校だか、人権週間かなんかのときに、子どもがいじめで自殺した人(←日本語難しいな。英語だとa woman whose chiled commited suicide by bullyingで良いのだが)が講演に来て、その子がどんなに優しい子だったか、自分がどれほど悲しく、悔やんでいるのかを話していった。その内容ははっきり言って覚えていないのだが、その後のクラス会かなんかのときに、体育の先生が「本当にその死んでしまった子が優しい子どもなら、自殺なんかしなかっただろうね」と言っていたのを妙に鮮明に覚えている。
 多分、変に覚えていて、さっきふと思い出したのは、私がその時結構驚いたからなんだと思う。
 驚いたポイントはいくつかあって、まず最初は、「講演者を全面的に肯定する必要はないのか」ということ。こういう講演って、だいたい、「ためになりました」「貴重なお話でした」「自分もちゃんと考えたいです」みたいなおりこうさんの回答しか言っちゃいけないものだと思い込んでいたから、講演者の「優しい子ども」という説を否定してもいいのか、ということにびっくりしたんだよね。
 で、二つめが多分、「先生も人間なんだな」ということ。正直言って、上で記述したような対応をするのが、教育者としては求められているのだろうと思うのだけど、それでも先生は自分の意見を言ったわけなんだよね。それが良いか悪いかは別にして、先生も人間で、批判的な意見も持ち合わせているのね、という当たり前のことに気付いたりしたのです。
 最後に三つ目は、多分、自分のもやもやをクリティカルに指摘してくれた言葉だったからだと思うのです。今も私はそうなのだけど、死んでしまった人間を美化するのがとても嫌いでして、その時もきっと、「つまらんな」と思いながらその講演を聞いていたのですが、そのときはなんでつまらないと思ったのか、うまく言い表すことができなかったんですよね。でも、先生の発言で、それが少し整理できたんですな。つまり、その自殺した人というのは、天使のように優しく賢く聡明で、大人になっていれば世界を救うような人間で、それを失ったのは社会の喪失、では、別にないんですよ。言い方悪いけど、将来的にまっとうでない大人になっていた可能性もあるわけですね。それら全てに目をつむり、最大限良い方向にことが進んでいってしまった未来を想像して嘆き悲しむのは奇妙なわけです。でも同時に、その人の親にしてみればそれが事実であるし、その可能性の検証すらできないまま対象が消滅してしまったのは悲しいこともまた真実ですので、真っ向から否定することはできないんですよね。両者のうちどちらの姿勢が正しいかなんて答えはないんですが、その中でただひとつ、優しい子だった優しい子だったと連呼するその母親の言葉に、「本当に優しい子だったら、どうしてあなたがこんなに嘆き悲しむということを想像できずに自殺してしまったのでしょう」という先生の言葉はとてもクリティカルで真っ当だと私は思うのです。あなたが優しい子だと言ったその子は、あなたにちっとも優しくなんてないじゃないですか、と。この指摘だけは、可能性ではない事実として提示されてもいいんじゃないかな。

 こんなことを書いているけれど、私は自殺を肯定も否定もしませんよ。
 自分の人生を自分だけのものだと思うのならば、死ぬも生きるも勝手にすれば良い。他人に影響を与えるということを理解した上で死ぬのならば、それは選択肢として良いと思う。という、だけですね。

 死者の美化は嫌いだけど、うーん、やっぱり、人間、恨みながら生きるよりは楽しいこと抱えて生きていきたいから、しょうがないのかな、と今は分析している。博士課程のラボ在籍中は、本当に嫌なことがたくさんあったけれど、今はあんまり思い出さないからね。私の脳みそも随分と都合がよろしいようで。
 そんなわけで、私は今仕事の上で絶賛暗黒期ですけど、そのうちどうでも良くなると思うの。しかし、そのためには、『異動』というワイルドカードが必要なのよ。人事!人事!!!!! 早く異動させろよ!!
日常 | CM(0) | TB(-) 2018.07.07(Sat) 11:10
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創

Author:創
分子生物学系の大学院生やってました。
いまは日本の心臓で働いています。

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