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送られなかった手紙

 私には、4年でラボ配属されたときから、ずっと同期がいたのです。
 同じラボにいた人は知っているだろうけど、ヤツと私は真反対の性格で、同じ場所に居ながら全く違うことをしてきました。

 正直なところ、私はヤツが嫌いですが、でも悪い人間ではないし、私にはないよいところを沢山もっているのは認めます。
 そんなヤツに、私が送ろうと思っていた手紙(の下書き)が発掘されたので、のっけときます。
 私が退学する頃に読んでいた、為末さんの「諦める力」という本とともに、この手紙を渡そうかな、と思っていたのですが、正直、私がヤツにそこまでしてやるのも面倒だな、と思ったので、結局出していないものです。貰っても嬉しくないだろうなとも思ったし。

 以下、お手紙。

どうもこんにちは。
おせっかいですが本を贈ります。なんの因果か6年間も君と同期やってたわたくしより、餞別でございます。

この本を読んで、アスリートと研究者は似ている部分が多いかなと思いました。
研究者ってやっぱり知的職業の最高峰だから、学位取るって言えば周りの人はまず反対しないんだよね。でも、その人が研究者に向いてないって誰も教えてはくれないんだよ。

本当におせっかいだけど、君、人生の目標をちゃんと決めた方がいいと思うよ。
学位を取るとかそういうのじゃなくて、もっと長期的なさ。研究室ってのは奇妙な空間です。研究が世界で一番面白くて意義があって素晴らしいことだと思っている人ばかりが教員として残っているので、ずっとラボにいると学位を取ってアカデミアに残ることが正しいように感じてしまうけど、世の中そんなんじゃないと思うわけですよ(私はね)。君は、もっといろんな人と話をすると良いと思うんだよね。研究の世界を多少知っている、研究者じゃない人と話をするべきだと思う。その上で学位が必要だと思えば頑張って取ればいいと思う。

君のことは、同期としてなんだかなぁと思う部分も多々ありましたが、私なんぞよりも優れている部分もあると思いますし(穏やかな人格とかそういうのかな)、こんな手紙書いちゃうくらいには心配しております。

自分が何したいのか何ができるのか、自分の能力と環境を分析して真面目に考えて、できればそれを言語化して誰かに話すことをおススメするよ。批判やアドバイスを求めるためじゃなくて、ただ単に自分が納得するために。他人に話をするのって、結構考えがまとまってないとできないことだからさ。

君は言葉に出さないだけで、本当はいろいろ将来について考えているのかもしれません。がしかし、今の状況を見ていると、決断することをサボって流されているだけに見えます。お金も若さも無限じゃないんだ。自分が持っている価値を最大限引き出せるような環境に自分を置くべきだと私は思っている。
当たり前だけど、君の人生は君のもので、他の誰でもない自分が責任もってマネジメントするものなんだ。

偉そうに書きましたが、私はそんなことを思ってます。ちなみに、私は自分自身のやってきたことを微塵も後悔していませんよ。4年で研究所に行って戻ってきたことも、ゼブラをやめて線虫を始めたことも、学位を取らずに就職することも、他の人が聞いたらわたしは諦めの早いやつだと思うかもしれないけど、私はその時々で全力を尽くして頑張ってきたから満足です。

ではこのへんで。お元気で!
日常 | CM(0) | TB(-) 2018.03.02(Fri) 23:06

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Author:創
分子生物学系の大学院生やってました。
いまは日本の心臓で働いています。

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